ジョニタ・ガンディ『Idhayam Murali』で俳優デビュー

インドを代表する人気シンガー、ジョニタ・ガンディ(Jonita Gandhi)が、2026年7月10日に公開されたタミル映画『Idhayam Murali』に出演。ジョニタは本作で教師のギーターを演じ、実際に劇場公開された作品としては、本作が彼女の本格的な映画女優デビューとなった。

『Idhayam Murali』は、1998年から2024年まで複数の時代をまたぎながら、主人公の恋愛遍歴を描くロマンティック・ドラマ。ジョニタが演じるギーターは、少年時代の主人公にとって憧れの存在となる教師で、彼の最初の恋を象徴する人物として登場する。

これまでヒンディー語映画だけでなく、タミル語、テルグ語など数多くのインド映画で歌ってきたジョニタだが、今回はカメラの前で役を演じる側へ回った。さらにタミル語のセリフの吹き替えも自ら担当。本人はGeetha Missについて、温かく思いやりがあり、周囲の人々の長所を見つけて自信を与えてくれる人物だと説明し、役を演じた経験を「meaningful experience(意味のある経験)」だったと振り返っている。

ただし、ジョニータの「女優デビュー」については少し複雑な経緯がある。実は彼女が初めて俳優として撮影に参加した作品は『Idhayam Murali』ではない。2021年、ヴィグネーシュ・シヴァン(Vignesh Shivan)とナヤンターラー(Nayanthara)が手掛けるタミル語映画『Walking/Talking Strawberry Ice Cream』にも出演しているが、同作がまだ公開されていないからだ。

ジョニタは『Walking/Talking Strawberry Ice Cream』でピクーという役を演じ、2022年には撮影を経験したことを明かしていた。当時の報道でも、同作が彼女の「acting debut」として紹介されている。そのためキャリアを厳密に整理すると、最初に女優として撮影した作品が『Walking/Talking Strawberry Ice Cream』、実際に公開され、観客が彼女の演技を見ることになった女優デビュー作が『Idhayam Murali』ということになる。

そもそもジョニタは、女優への転身を積極的に目指していたわけではなかったという。『Idhayam Murali』公開後のインタビューでは、演技について「自然な形で実現してほしかった」と説明しており、自ら俳優の仕事を追いかけていたわけではないことを明かしている。

一方で、今回実際に演技を経験したことで、その可能性には手応えを感じているようだ。音楽が自分にとって第一であることに変わりはないとしながらも、演技については今後さらに「探求してみたい分野」であることも語っている。

映画の中で歌うことと、映画の中で人物を演じること――。ジョニータは長年、プレイバックシンガーとしてスクリーンの向こう側にいる俳優たちへ歌声を提供してきた。それだけに、今度は自らがカメラの前に立つという変化は象徴的だ。

『Idhayam Murali』は、ジョニタにとって単なるゲスト出演以上の意味を持つ作品となった。プレイバックシンガーとしてインド映画を支えてきた彼女が、今度は「演じる側」へ。歌手としてのキャリアを維持しながら、女優という新たな可能性への扉を開いた作品なだ。

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