
JP Saxe × ジョニタ・ガンディ「Broken Parts」
カナダのシンガーソングライター、JP Saxeと、インドを代表するシンガーの一人、ジョニタ・ガンディ(Jonita Gandhi)がコラボした「Broken Parts」。
2026年8月21日にリリースされた本作は、失恋や喪失によって、自分自身の一部まで失ってしまったように感じる心情を繊細に描いたバラードだ。
JP Saxeといえば、ジュリア・マイケルズ(Julia Michaels)との「If the World Was Ending」で世界的に知られるようになったシンガーソングライター。ピアノを中心としたシンプルなサウンドと、会話のような歌詞によって、人間関係の複雑な感情を掘り下げるスタイルを得意としている。「Broken Parts」もその延長線上にあり、派手なプロダクションではなく、二人の声とメロディーそのものを前面に押し出している。
そこに加わるのがジョニタだ。『Ae Dil Hai Mushkil』の「The Breakup Song」や『Rocky Aur Rani Kii Prem Kahaani』の「What Jhumka?」など数多くのインド映画音楽で知られる一方、近年はプレイバックシンガーという枠を越え、インディペンデント、グローバル・ポップのフィールドへ積極的に進出している。「Broken Parts」は、そんな彼女の現在地を象徴する作品の一つといえる。
楽曲は基本的に英語で進行するが、途中にはヒンディー語のパートが登場する。しかもジョニタだけではなく、JP Saxe自身もヒンディー語を歌っているのだ。インド的な楽器やリズムを大量に投入して「東洋と西洋の融合」を強調するのではなく、JP Saxeが得意とする現代的なピアノ・バラードの中へ、ヒンディー語そのものを自然に溶け込ませている。
二人のコラボレーションはリモートでスタートし、その後スタジオで実際に声を重ねて完成したという。ジョニタはJP Saxeのソングライティングが持つ「honesty and tenderness(誠実さと優しさ)」に惹かれたことを語っており、二人の声が初めてスタジオで重なった瞬間を「magical」だったと振り返っている。
また、「Broken Parts」は単なるインド市場を意識した企画的なコラボでもない。JP Saxeはリリース前からライブでこの曲を披露しており、自身のレパートリーとして育ててきた。さらに2026年10月23日リリース予定のアルバム『Okay Piano Guy』にも収録される予定で、恋愛や喪失、希望、成長を描くアルバム全体の流れを構成する重要な一曲となっている。


