
ニキタ・ガンディ(Nikhita Gandhi)がルーマニアのアーティストとコラボ「Tu Hi」
「Tu Hi」は、ルーマニアのダンス・ポップ・プロジェクト、アクセント(Akcent)と、インドのシンガー、ニキタ・ガンディ(Nikhita Gandhi)による異色のクロスオーバー・ナンバー。2026年9月25日にシングルとしてリリースされた。
アクセントといえば、2000年代から「Kylie」「That’s My Name」などでヨーロッパを中心に国際的な人気を獲得してきた存在。特に「That’s My Name」は、哀愁を帯びたメロディとユーロダンス/ハウスを融合したサウンドで知られ、東欧だけでなく南アジアでも広く聴かれてきた。そんなアクセントが今回パートナーに選んだのが、「BurjKhalifa」「Naach Meri Rani」など数々の映画音楽やI-POP、ヒップホップを歌ってきたニキタだった。
「Tu Hi」は、アクセントらしい欧州ダンス・ポップの感触に、ヒンディー語の歌唱を組み込んだロマンティックな一曲。タイトルの「Tu Hi」は「君だけ」「あなただけ」といった意味で、歌詞も愛する相手を自分にとって唯一無二の存在として描くストレートなラブソングとなっている。ヒンディー語による印象的なリフレインと英語詞を行き来する構成で、特定の地域に閉じないグローバル・ポップとして仕上げられている。
サウンドも派手なEDMドロップを押し出すというより、滑らかなシンセサイザーと一定のテンポで刻まれるダンス・ビート、そしてどこか切なさを漂わせる旋律が中心。アクセントが長年得意としてきた哀愁系ユーロダンスの延長線上にありながら、Nikhitaの柔らかく艶のある歌声が入ることで、近代I-POP特有のロマンティックな色彩が加わっている。
さらに興味深いのは、これが「インドの歌手が海外アーティストの楽曲に参加した」というだけではなく、欧州ポップ側がヒンディー語そのものを楽曲の核として取り込んでいること。
東欧とインドという意外な二つのポップ・シーンが自然に交差した2026年型のクロスオーバー・ラブソングなのだ。


