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プリーティ・ジンタ主演映画『Vibe』から「Aisi Meri Vibe」

クナル・ケームーが監督・出演を兼任する新作映画『Vibe』から登場した「Aisi Meri Vibe」。

映画には『Batwara 1947』で本格的に映画復帰を果たしたプリーティ・ジンタ(Preity G Zinta)、スパルシュ・シュリヴァスタヴァ、ヴァンシカ・ディールらが出演し、本曲にはカンフュージオン(Kanfuzion)、キラリー(Khillari)、イルファナ(Irfana)という、ボリウッドの定番プレイバック歌手とは異なる顔ぶれが集結している。『Vibe』は2026年9月18日の公開が予定されている。

何より興味深いのは、映画音楽でありながら、近年のインド・インディペンデント/ヒップホップ・シーンとの距離がかなり近いことだ。タイトル通り、メロディーをじっくり聴かせるというより、「Vibe=ノリ」そのものを押し出したナンバー。重心の低いビートとエレクトロニックなプロダクションを土台に、ラップとヴォーカルが次々と入れ替わり、楽曲全体をひとつのグルーヴとして走らせていく。

そのなかでも注目したいのが、南インドのヒップホップ・シーンで活動してきたイルファナの起用だ。ボリウッド映画音楽では、著名な歌手を並べることで楽曲そのものにスター性を持たせるケースも多いが、「Aisi Meri Vibe」はむしろ現在進行形のインディー/ラップ・カルチャーの感覚を映画側へ持ち込もうとしている。

サウンドも、いかにも「映画のために作られたヒップホップ」という大仰さを抑え、SNSのショート動画にも切り出せそうなコンパクトなフックと反復性を重視。タイトルの「Aisi Meri Vibe=これが私のヴァイブ」とでもいうべき自己主張が、そのまま音楽の設計思想になっている。物語を説明する挿入歌というより、登場人物たちのキャラクターや態度、ファッション、空気感を一気に提示するための楽曲と考えた方が近い。

また『Vibe』では、先行してアミット・トリヴェディが手掛けた「Raaton Mein Aana」も展開されており、作品全体でひとつの音楽ジャンルに統一するのではなく、楽曲ごとに異なる現在のインド音楽を取り込もうとしている。

「Aisi Meri Vibe」は、巨大なボリウッド映画のサウンドトラックと、インドで拡大を続けるインディペンデント/ヒップホップ文化との境界が、ますます曖昧になっていることを感じさせる一曲だ。

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