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インド映画音楽とマイケル・ジャクソン/マイケルはインド映画に出演する予定だった

アクションとしては、ブルース・リーやジャッキー・チェン、トニー・ジャー、少林寺シリーズ、最近ではマーベルやDCなどのアメコミ映画。ヴァイオレンスではクエンティン・タランティーノやパク・チャヌク。音楽やダンスとしてはジェニファー・ロペス、シャキーラ、マドンナ、ビヨンセ、そしてジョン・トラボルタのダンス映画などの影響が強いが、とくに大きな影響をあたえたアーティストは、“キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソンだ。

1999年にドイツのミュンヘンで開催された「MJ & Friends」にも出演したことがあり、“インドのマイケル・ジャクソン”という称号を持つ、ダンサー兼俳優のプラブデーヴァー(Prabhu Deva)は、『Kadhalan』(1994)の「Mukkala Mukkabala」や『ストリートダンサー』(2020)の「Muqabla」のなかで、マイケルをリスペクトしたダンスを自身で披露しているが、振付師(コレオグラファー)として参加した『Wanted』(2009)の「Love Me Love Me」などで1990年代~現在にかけて、マイケルをリスペクトしたダンスをインド映画界に刻み込んできた。

マイケルが亡くなった2009年には、インド映画界への貢献の感謝と追悼を込めてヴィシャール=シェーカル、シャーン、シュレヤ・ゴシャルらによって、「Tribute to Michael Jackson」という曲も制作された。このミュージックビデオには、シャールク・カーンやアヌシュカ・シャルマ、カトリーナ・カイフ、プリヤンカー・チョープラーといったボリウッドスターたちも多数出演し、マイケルへの感謝を述べているし、ボリウッドディスコの火付け役として知られ、生前に面識もあったバッピ・ラヒリ(Bappi Lahiri)は「Don’t Say Goodbye」という曲を制作した。

■バッピ・ラヒリが「Beat It」をオマージュしたというか、パクった「Teri Jo Khushi」

マイケル自身も90年代からインドに深く興味を示しており、1996年のムンバイコンサートも彼が発案したものであった。1999年に開催されたボリウッドムービー・アワードにおいてサプライズ登場し、「傑出した慈善家賞」を受賞し、実際にスピーチを行ったことや『Disco Dancer』(1982)の「Jimmy Jimmy Jimmy Aaja」が好きだったことは有名な話だが、実はインド愛が相当強かったのだ。

その後もインドエンタメに貢献したいという意識が強く、A.R.ラフマーンとは連絡をしていたことが、ラフマーン自身の証言によってわかっている。そして実際にインド映画にマイケルが参加するプロジェクトを進めようとしていた。しかしラフマーンは、丁度、音楽監督を務めた『スラムドッグ$ミリオネア』(2009)の「Jai Ho」が第81回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされたことで、発表の後で落ち着いてから具体的な話を詰めようとしていた。

そのプロジェクトが、『ロボット』(2010)である。実際に同作を観てみると、作中曲「Irumbile Oru Idhaiyam」は、一見ダフトパンクっぽいかな?とも思えるが、明らかにマイケルをリスペクトしたものとなっている。

もし撮影時にマイケルが存命であったら、そこにマイケルがいたかもしれなかったし、インド映画とマイケルの繋がりは、さらに深いものとなっていただろう。

しかしマイケルの魂は、プラブデーヴァーやラフマーンだけではなく、様々なインドのアーティストやダンサーたちに確実に受け継がれている。

例えばリティク・ローシャンのマイケル愛も有名だ。『バンバン!』(2015)のタイトルトラックでは、マイケルにリスペクトを捧げたダンスを披露しており、インタビューの際にも「マイケルは私のアイドルだ」と語っているほど。ほかにも『Fire』(1996)の「Kites」ではムーンウォークも披露している。

直接的にリスペクトを捧げた『ムンナー・マイケル』(2017)で主演を務めたタイガー・シュロフそのひとりで、撮影時にはロサンゼルスで実際にマイケルの振付師からレッスンを受け、更に高みを目指したほどの力の入れようであった。

映画監督兼振付師のファラー・カーンもマイケルの影響が強い。というか、マイケルのダンスがきっかけで振付師を目指したとも言っていて、実際に『ハッピー・ニュー・イヤー』(2014)の「Nonsense Ki Night」などで取り入れている。

『若さは向こう見ず』(2013)の「Badtameez Dil」や『Kill Dil』(2014)の「Nakhriley」のように部分的に取り入れてるものや「Thriller」のコピーソングとして、一時期ミーム的に話題にもなった、『Donga』(1985)の「Golimaar」など、例を挙げ出したらキリがない。

ディズニーが制作したインド映画『ABCD 2』(2015)の「Naach Meri Jaan」では、ラスベガスでマイケル・ジャクソンのモノマネ芸人を拝むシーンがあるほど。それに関しては単なるネタだとしても、チェンナイのヴェルズ大学には、マイケルの像が設置している。ちなみにネバーランドに寄贈しようとしたが、ダメだったらしい……。

インドでは映画俳優が信仰の対象となって、神のように扱われることもあるが、マイケルの存在もダンサーや音楽業界の人たちにとっては、もはや信仰の対象だといえるだろう。

★マイケル・オマージュ・セレクション★

Bang Bang Title Track/ベニー・ダヤール(Benny Dayal), ニーティ・モハン(Neeti)

Krazzy 4 – Remix/ヴィシャール・ダッドラニ(Vishal Dadlani)

■Main Deewana Hoon/Ganesh Hegde

Nonsense Ki Night/ミカ・シン(Mika Singh)

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