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『ドゥランダル作戦』プロデューサー、ジョーティ・デーシュパンデーインタビュー(音楽特化版)

先日の、音楽監督シャーシュワト・サチデーヴの日本メディア独占インタビューに続き、今回はプロデューサーを務めたジョーティ・デーシュパンデー(Jyoti Deshpande)へのインタビューが実現。

といっても、今回は日本の配給会社を通したインタビューということで、日本独占ではないものの、音楽に特化した質問をしたのは、おそらく「NEXT InDoor」のみではないだろうか。

また、今回紹介するのは、あくまで音楽に関連する質問。

実は映画自体に関する質問もしていて、それは近日中に「NiEW」でニュースコラムとして掲載予定!!

先日、音楽監督のシャーシュワトにもインタビューしました。若い観客の映画館離れが進むなかで、本作ではパンジャブ音楽やヒップホップといった現在のトレンドを取り入れた音楽が、作品の成功において非常に重要な役割を果たしたと感じています。その認識は正しいでしょうか。

ジョーティ)

そうですね。『ドゥランダル作戦』において、音楽は非常に重要な要素でした。私は、この作品は音楽によって映画のストーリーテリングそのものを進化させた作品だと考えています。

パンジャブ音楽やヒップホップ、さらに古典音楽の要素を融合させることで、従来とは異なる没入感を生み出しました。例えば私が特に気に入っている「Move – Yeh Ishq Ishq」は、スチュー・フィリップスが作曲したドラマ『ナイトライダー』のテーマをサンプリングした、ドージャ・キャットの「AAAHH MEN!」をさらにサンプリングした楽曲です。そのサウンドが、アクションシーンに強いインパクトを与えています。

「Move – Yeh Ishq Ishq」では、実際にソニー・ミュージックから「AAAHH MEN!」のライセンスを取得し、そのサウンドにカッワーリの要素を組み合わせることで、独自のフュージョンソングへと仕上げました。

従来のインドのアクション映画では、アクションシーンそのものには、それほど積極的に音楽を流さない傾向があります。しかし本作では、あえてアクションの最中に音楽を前面へ押し出すことで、アクション映画の演出そのものに新しいアプローチを取り入れました。

当初は、アクションの激しさゆえに女性観客へ届きにくいのではないかという懸念もありました。しかし、音楽が感情移入を促す役割を果たしたことで、その壁を乗り越えることができたと思っています。

〇ドージャ・キャット「AAAHH MEN!」

〇スチュー・フィリップス『ナイトライダー』のテーマ

続編の『リベンジ』も含めて、最も印象に残った楽曲は何でしょうか?

ジョーティ)

やはりタイトルトラックですね。

映画の公開約6か月前から、原曲である「Jogi」をさまざまな形で再構築していきました。その制作過程で、「Are You Ready?!」というフレーズを入れてみようというアイデアが生まれ、実際に取り入れてみたところ、音楽制作チームの間でも大いに盛り上がりました。

さらに、タイトルトラックの公開時期が、主演のランヴィール・シンの誕生日(1985年7月6日)と重なったこともあり、楽曲への注目度は一気に高まりました。

*「Jogi」は、もともとモハムマド・サディーク(Mohammed Sadiq)とランジット・カウル(Ranjit Kaur)の男女デュエット曲として人気となった「Na Dil De Pardesi Nu (Jogi)」を、パンジャビMCがサンプリングした「Jogi」として、世界中に拡散されることになった曲だ。パンジャビMC版には、「カモーーン!!」というセリフが入るのだが、タイトルトラックには「アーユーレディーー?!」というセリフが入るため、あきらかにパンジャビMC版の方が基礎としてあることがわかる。

パンジャビMC「Jogi」

モハムマド・サディーク、ランジット・カウル「Na Dil De Pardesi Nu (Jogi)」

『ドゥランダル作戦』はLPの限定版が発売されました、現在は一部のレコードコレクターを中心とした市場とはいえ、レコードの人気が高まりつつあります。私もムンバイやニューデリーのレコード店のオーナーに話を聞いたのですが、レコードを購入できない層のなかには、代わりにCDを買う動きも少しずつ出てきているそうです。ストリーミングの普及によってCD市場は縮小しましたが、将来的にレコードのような形で復活する可能性はあると思いますか。

ジョーティ)

これはマーケティングの側面が大きいですね。ストリーミングへ移行してしまったユーザーを、もう一度「モノ」を所有する体験へ引き戻すという意味では、一定の効果はあったと思います。

ただ、CD市場そのものが本格的に復活するかというと、現時点では難しいでしょう。ニッチな層には需要があると思いますが、それが再びメインストリームになるとは考えていません。

一方で、ノスタルジーやファンダムを軸にしたコレクターズアイテムとしてであれば、小規模ながら市場が成長する可能性はあると思います。だからこそ、こうした限定ボックスや特別仕様の商品を定期的に展開していくことには、大きな意味があると感じています。

■ジョーティんの顔がLPのパッケージに載っているの知ってますか?

ジョーティ)

Yes!!(笑)

最後に、すべての方にお聞きしている質問です。好きなインド音楽、もしくは好きなインド人アーティストを教えてください。

ジョーティ)

まず挙げたいのは、音楽監督のシャーシュワトです。私はもともと彼の大ファンなんです。

彼の音楽制作はとてもユーモアに富んでいて、既成概念やルールに縛られることがありません。とにかく独創的で、インドの伝統楽器と現代的なサウンドを融合させるセンスは本当に素晴らしいと思っています。

さらに、新進気鋭のアーティストへ積極的にチャンスを与える姿勢も、とても尊敬しています。

好きな曲は、私が参加した作品になってしまって少し恐縮ですが、『花嫁はどこへ?』の「Sajni」です。

【ジョーティ・デーシュパンデー/Jyoti Deshpande】

ジョーティ・デーシュパンデーは、インドを代表するメディア・エンターテインメント業界のエグゼクティブの一人であり、映画、テレビ、ストリーミング、デジタルメディアなど30年以上にわたり第一線で活躍してきた。現在は、リライアンス・インダストリーズ・リミテッドのメディア&コンテンツ部門プレジデントとして、インド有数のコンテンツスタジオであるJio Studiosを率いている。創設当初から同スタジオの成長を牽引し、劇場映画とデジタルコンテンツの双方で数々のヒット作を生み出すインド屈指のスタジオへと育て上げた。彼女のリーダーシップのもと、Jio Studiosは『Dhurandhar』二部作をはじめ、『Stree 2』『Shaitaan』『Article 370』『Singham Again』『Mrs.』『Laapataa Ladies(花嫁はどこへ?)』など、劇場公開・配信を問わず話題作を次々と送り出している。なかでも『Dhurandhar』二部作は全世界興行収入30億ルピー(約3億3,000万ドル)を超える大ヒットとなり、『Dhurandhar: The Revenge』は2026年の世界興行収入ランキング上位作品にも名を連ねた。また、『Laapataa Ladies(花嫁はどこへ?)』は、第97回アカデミー賞国際長編映画賞部門のインド代表作品に選出されている。これまでのキャリアで携わった映画は1,000本を超え、直近8年間だけでも複数のインド言語による200本以上の映画・シリーズ作品をプロデュース。Jio Studiosは、3年連続で年間興行収入第1位のヒンディー語映画を製作したインド初のスタジオとなった。ジョティは、インド映画・ドラマの海外展開を積極的に推進し、「India to the World(インドから世界へ)」というビジョンのもと、インドを世界有数のコンテンツ大国へ押し上げる原動力の一人として知られている。Jio Studios以前にはViacom18のCEOを務め、インドの大手メディア企業で初めてCEOに就任した女性としても注目を集めた。さらに、メディア、音楽、エンターテインメント企業の取締役や業界団体の要職を歴任し、政策提言や業界活動を通じてインドのメディア産業の発展にも大きく貢献している。BAFTA会員でもあり、Fortune IndiaBusiness Todayが選ぶ「ビジネス界で最も影響力のある女性」にたびたび選出。優れたストーリーテリングへの審美眼と先進技術への積極的な投資、そしてグローバル市場を見据えたエンターテインメントビジネスの構築におけるリーダーとして、国内外で高い評価を受けている。

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