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チャンニ・ナッタン(Chani Nattan)らが描くパンジャブ流男女の攻防「GOOD BOY」

「GOOD BOY」は、チャンニ・ナッタン(Chani Nattan)、インダーパル・モガ(Inderpal Moga)、ジャスミーン・アクタル(Jasmeen Akhtar)が参加し、バイグ・バード(Byg Byrd)がプロデュースしたパンジャブ・ヒップホップ。

タイトルは「GOOD BOY」だが、実際に描かれる男性像は、その正反対にある“Badmash(不良/ならず者)”だ。

楽曲のおもしろさは、男女の掛け合いによってパンジャブ・ヒップホップでおなじみの「危険なジャット男性」のイメージを描いていること。

女性側は、恋愛を楽しむだけではなく結婚相手として「Good Boy」を求めているのに対し、男性は仲間や金、車、警察沙汰まで持ち出しながら、自分がいかに危険で影響力を持つ人物なのかを誇示していく。女性にとっては結婚相手としてのマイナスポイントでしかない要素を、男性側はむしろ自身の魅力として語ってしまう。この価値観のズレが曲全体のユーモアになっている。

そこにジャスミーン・アクタルの女性ヴォーカルが加わることで、単なる男性目線のギャングスタ・アンセムにはならない。荒々しい男性パートに対して女性側が現実的な視点から応酬することで、“Badmash Jatt”というパンジャブ音楽の定番的な男性像そのものを、どこかコミカルに浮かび上がらせている。

サウンドを手掛けるのは、カナダを拠点とするパンジャブ系プロデューサー、バイグ・バード。低音を強調した硬質なヒップホップ・ビートを軸にしながら、過剰に音を詰め込まず、男女のヴォーカルの応酬を前面に出している。北米のヒップホップと現代パンジャブ音楽が融合したディアスポラ系パンジャブ・サウンドの流れを汲みながら、ジャスミーンの歌声によってパンジャブ歌謡的なキャッチーさも加えられている。

結局、女性が欲しいのは安心して結婚できる「Good Boy」なのに、目の前の男は最後まで「Badmash」であることを誇り続ける。「GOOD BOY」は、そんな男女の噛み合わない会話を利用して、パンジャブ・ヒップホップにおける“危険な男こそ格好いい”という定型を、ユーモラスな男女の会話劇へと変換した一曲だ。

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