
パート・シュリヴァスターヴァ(Parth Srivastava)が描く、穏やかな恋の時間「Ishqa」
シンガーソングライターのパート・シュリヴァスターヴァ(Parth Srivastava)が、アーカンクシャー・バンダーリ(Akanksha Bhandari)とタッグを組んだ新曲「Ishqa」をリリースした。T-Seriesから発表されたパンジャブ語のラブソングで、歌唱を2人が担当し、作曲はパート自身が手掛けている。
パートといえば、インドのインディーズ・シーンで活動してきたシンガーソングライターで、「Uljhan」などでも、派手なサウンドよりメロディと歌声を重視した楽曲を聴かせてきた。「Ishqa」でも、その持ち味は変わらない。
近年のパンジャブ音楽というと、ヒップホップやトラップ、R&Bを取り込んだ世界市場を意識した作品が注目されがちだ。しかし「Ishqa」は、そうしたトレンドとは少し距離を置き、アコースティックな感触と柔らかなポップ・サウンドを中心に据えている。
最大の魅力は、パースとアーカンクシャーによる男女のヴォーカルだ。パースの繊細で素朴な歌声に、アーカンクシャーの透明感のあるヴォーカルが重なり、恋する男女が互いに語りかけているような空気を作り出す。大げさなドラマを作るのではなく、日常の延長線上にある恋愛感情を丁寧にすくい上げていくタイプのラブソングだ。
タイトルの「Ishqa」は、「Ishq=愛、恋」を意味する言葉から来たもの。南アジアの音楽では古くから繰り返し歌われてきたテーマだが、この曲では伝統的なロマンティック・ソングの情緒を、現代的なインディー・ポップの感覚へと落とし込んでいる。
ここで重要なのは、パース自身が作曲も担当していることだ。シンガーとして用意されたメロディを歌うのではなく、自らの声質や表現方法に合わせて曲を作るシンガーソングライターだからこそ、歌唱とサウンドの距離が非常に近い。過剰に技巧を見せることなく、メロディそのものの美しさを前面に出した構成にも彼らしさが表れている。


