『マーヴィーラン 伝説の勇者』音楽特集

7月11日から日本公開が決定したタミル語映画『マーヴィーラン 伝説の勇者』(Maaveeran)

『私の夢、父の夢』(2018)や『Ayalaan』(2024)などで知られる俳優兼シンガーでもあるシヴァカールティケーヤンが主演を務めた作品で、今作にも出演しているヨーギー・バーブ主演の社会風刺作『マンデラ』(2021)に続いてマドーン・アシュヴィンの長編監督第2弾。

音楽監督はAmazonプライム映画『アムー ~負けない心~』(2022)などで知られるバーラト・シャンカール(Bharath Sankar)

そんな『マーヴィーラン 伝説の勇者』の主要楽曲4曲を解説していこう。

1)Scene Ah Scene Ah

『デーヴァラ』(2024)や『ジェイラー』(2023)など多くの音楽監督を務め、古典と現代音楽を融合させることを得意とするプロデューサー。そしてシンガーとしても参加する、アニルドことアニルド・ラヴィチャンダル(Anirudh Ravichander)がヴォーカルを務めた楽曲。

イントロでは、南部民謡を得意としたシンガーで、フォークミュージックの博士号を持つアンタークディ・イラヤラジャ(Anthakudi Ilayaraja)が参加している。アンタークディといえば、2016年に公開された『Ilami』の作中曲「Thavil Eduthu」と「Theeparaka」がヒットしたことで一躍有名になったシンガーであり、マドーン監督の前作『マンデラ』にも参加していた。

2)Vannarapettayila

この楽曲は珍しいことに、どちらの俳優もプレイバックシンガーによる吹替えがされておらず、シヴァカールティケーヤンとアディティ・シャンカール (Aditi Shankar)自身が歌ったデュエットソングとなっていることだ。

どらの俳優もシンガーとしての経験があり、アディティは最近もラーム・チャラン主演作『Game Changer』(2024)の「Dhop」などに参加していた。

作詞は『Amaran』(2024)や『Gentlewoman』(2025)など、タミル語映画音楽ではお馴染みのユーガバーラティ(Yugabharathi)が務めた。

3)Vaa Veera

メインヴォーカルは、音楽監督でもあるバーラト・シャンカールが務めている。

中盤から参加している歌声は、ヴァイコム・ヴィジャヤラクシュミー(Vaikom Vijayalakshmi)によるもの。

ケーララ州出身のプレイバックシンガーで、マラヤーラム語映画『Celluloid』(2013)の「Katte Katte」が高く評価され、近年もシャー・ルク・カーン主演作『ジャワーン』(2023)のタミル語版サウンドトラックなどに参加。カルナータカ音楽の分野ではよく知られているアーティストだ。 

作詞は、「Vannarapettayila」と同じくユーガバーラティが務めた。

4)Kekkutha (Boat Fight Song)

メインヴォーカルは、音楽監督のバートラ・シャンカールが務め、サブヴォーカルとしてプラシャーント・モハナスンダラム(Prashanth Mohanasundaram)の歌声をシンクロさせている。

プラシャーントは、「IFP 50 Hour Music Challenge Winners 2022」などにも参加しているが、ちゃんと名前がクレジットされるプレイバックシンガーとしての仕事は、今作が初めてとなる若手アーティストだ。

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