マラーティー語フィメール・ラッパー ドン・YG(Don YG)「VVS」

マハーラーシュトラ州ムンバイ都市圏を拠点に活動するラッパー、シンガー、ソングライターであり、2020年代後半のマラーティー・ヒップホップを代表する新世代アーティストの一人であるドン・YG(Don YG)の新曲「VVS」がリリース!!

「VVS」はダイヤモンドの最高級クラリティ(Very Very Slightly Included)に由来するヒップホップの定番スラングだ。成功や富、ストリートでの成り上がりを象徴する言葉として世界中のラッパーが用いており、本作でもそのイメージが核となっている。

デシ・ヒップホップ(Desi Hip Hop)の世界的な盛り上がりを背景に登場し、マラーティー語、ヒンディー語、英語を自在に行き来するラップスタイルと、アメリカのドリルやトラップを取り入れた現代的なサウンドによって注目を集めた。インターネットとストリーミングサービスを通じて人気を獲得した彼は、映画音楽に依存しない新しいインドのポップスター像を体現する存在となっている。

2023年頃から本格的に活動を開始し、「MUMBRA」「Spin The Coupe」などのシングルで頭角を現した。その後、「4PETI」「FU*K OUT MA FACE」「Burberry」「CHANEL CHAALI」「PULL UP」などを立て続けに発表し、マハーラーシュトラ州を中心に熱狂的な支持を獲得している。なかでも「MUMBRA」は、ムンバイ近郊の都市ムンブラをタイトルに掲げ、地域への誇りやストリートで生きる若者たちの価値観を力強く描いた代表作である。地域名そのものをアイデンティティとして打ち出す姿勢は、ヒップホップ本来のローカル性を重視する文化とも共鳴している。

Don YGの音楽は、重厚な808ベースや鋭いハイハットを特徴とするドリル・サウンドを軸に、メロディアスなフックと攻撃的なラップを融合させている。歌詞では、仲間との絆、ストリートでの生活、成功への野心、高級ブランドへの憧れ、自らのルーツへの誇りなどが繰り返し描かれ、現代インドの都市部で暮らす若者のリアルな感覚を映し出している。ブランド名や高級車をモチーフにした楽曲も多いが、それらは単なる贅沢の象徴ではなく、厳しい環境から成功をつかみ取るというヒップホップの精神を表現する装置として機能している。

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