
映画音楽の巨匠サントーシュ・ナーラーヤナンとZ世代ラッパーによるタミル人アンセム「Vetrivel」
『DD Returns』(2023)の音楽を手掛けたシンガー兼作曲家でありプロデューサーとしても知られるofROが、Z世代ラッパーのケリシー(kelithee)と『Retro』(2025)や『カルキ 2898-AD』(2024)などの音楽を手掛けた巨匠サントーシュ・ナーラーヤナン(Santhosh Narayanan)とのコラボによって誕生した「Vetrivel」
ヒンドゥー教の軍神ムルガンへの信仰とストリートのエネルギーを融合させた、スピリチュアルなタミル・ヒップホップ・トラックとなっている。
ofROとケラシーはお馴染みのコンビであるが、サントーシュとも『ジガルタンダ・ダブルX』(2023)の「10000 Pax」や『Mahaan』(2022)の「Rich Rich」などの映画音楽でもコラボしている。
神聖な象徴と文化的な気概を力強く融合させた「Vetrivel」は、轟くビートと民族音楽に根ざした楽器演奏が重なり合い、タミル人の誇りと精神的な強さが溢れる、力強いアンセムとなっている。
感情豊かなZ世代の視点からみた信仰をこの曲に落とし込んでおり、とくに幼少期にムルガンを愛したケリシーの思いが、この曲の力強い歌詞に深く影響を与えているのだ。
それだけではなく、サントーシュ加わったことで、大胆な芸術的要素を融合させ、「Vetrivel」を古典と現代ヒップホップのジャンルを超越したものに作り上げた。
それと同時に「Vetrivel」は、タミルの心の奥底から生まれた、力強いスローガンといえるだろう。