NTR Jr主演作『デーヴァラ(Devara)』音楽特集!!

NTR Jrことタラクさんが主演を務め、サイフ・アリー・カーンやジャーンヴィー・カプールといったボリウッドスターたちも出演するテルグ語映画『デーヴァラ』が、日本でも3月28日より公開される。

実は、2月25日にタラクさんにインタビューをしており、その内容については、21日発売の「映画秘宝」に掲載される。

そこでも音楽については少し触れているが、今作の音楽監督を務めたアニルドこと、アニルド・ラヴィチャンダル(Anirudh Ravichander)はタラクさんの熱望によって抜擢されたわけだ。

アニルドといえば、古典と現代音楽のアフロビートやヒップホップ、ロックなどをミックスするのが得意であり、とくに古典とヒップホップのミックスは最も得意としている。

ホームグラウンドはタミルであるものの、『JAWAN/ジャワーン』(2023)や『ジェイラー』(2023)など、南・北でヒット作でもヒップホップ風味を感じさせる楽曲を多く手掛けてきている一方で、自身もアーティストであり、2月27日にも「Dheema」をリリースしている。

今回は『デーヴァラ』日本公開記念ということで、作中で使用されている4曲を紹介していこう。!!

1)Fear Song

今作のテーマでもある”恐怖”を象徴した楽曲で、ロックテイストな楽曲。

ヴォーカルは、音楽監督でもあるアニルド・ラヴィチャンダル

バックコーラスとして、『K.G.F: CHAPTER 2』(2022)の「Sulthana」のアルン・カウンディニヤ、『ハヌ・マン』(2023)の「Hanuman Chalisa」のサイチャラン・バススルニ、『シンガム:アゲイン』の「Jai Bajrangbali」のチャイトゥ・サッツァンギなどなど、多くプレイバックシンガーたちが参加している。

作詞は、『RRR』の「Etthara Jenda」、『カルキ 2898-AD』(2024)では、ディルジット・ドサンジの「Bhairava Anthem」など、多くの南インド映画の楽曲に参加しているラマジョガッヤ・サストリー(Ramajogayya Sastry)が務めてた。

ほかにも、『デーヴァラ』メイン楽曲は、全てマジョガッヤが担当している。

2)Ayudha Pooja

サイフ・アリー・カーンなどの男性陣が唯一参加するダンスシーンで使用される楽曲。

これから戦いに向かう男たちの闘争心を表現したような力強さが印象的。

ヴォーカルは、『RRR』(2022)の「ナートゥ・ナートゥ」でもお馴染みのカーラ・バイラヴァ(Kaala Bhairava)。ちなみに父親も同じく「ナートゥ・ナートゥ」の作曲家であり、S・S・ラージャマウリの従兄としても知られるM・M・キーラヴァーニ。

そして「Fear Song」同様に、多くのバックコーラスが参加している。

3)Chuttamalle

ジャーンヴィー・カプールが演じるタンガがヴァラに向かって”男らしく、強くなってほしい”という妄想ソング。

実は今作、明確に踊っている!とか、〇〇のメタファーとして~というシーンは「Ayudha Pooja」しかなく、基本的に妄想パターンでダンスシーンが導入されている。

ヴォーカルは『バンバン!』(2014)の「Meherbaan」や『Pathaan/パターン』(2022)の「Besharam Rang」などのボリウッド映画音楽に加え、南インドにおいてもタミル語映画『ジェイラー』の「Kaavaalaa」などでもアニルドとタッグを組んだシルパ・ラオ(Shilpa Rao)。

ヒンディー語版「Dheere Dheere」や他の言語バージョンもシルパが歌っているが、タミル語版「Paththavaikkum」だけは、南インドの伝統音楽カルナティックのアーティストであり、『JAWAN/ジャワーン』の「Aararaari Raaro」ではソロを披露していたディープシー・スレーシュ(Deepthi Suresh)が歌っている。

コレオグラファーは、2024年に、YouTubeの世界で人気のミュージックビデオ・ランキングで1位になった『Bad News』の「Tauba Tauba」の振付師としても知られている”ボスコ=シーザー”のボスコ・マールティス(Bosco Martis)

4)Daavudi

Chuttamalle」と同じくタンガの妄想ソング!!

じつはこの曲、公開時には、本編からカットされていたのだが、このダンスシーンを大スクリーンで観たいという声が集まり、公開1週間後から追加されることになった。日本で公開されるものは、追加されたバージョンとなる。

男性パートは、A.R.ラフマーンのアシスタントとしての経験があり、『マーク・アントニー』(2023)の「I Love You Rey」や『パドマーワト』(2018)の「Binte Dil」など、南北インド映画音楽に関わってきたナカーシュ・アズィーズ(Nakash Aziz)。女性パートは、ヴィシャール=シェーカルシェーカル・ラヴジアーニーが、ライオネル・リッチーの名曲「Hello」をパンジャブ風アレンジカヴァー「Hello Soneya」にも参加したAKASA

ナカーシュは、全言語バージョン歌っているが、タミル、マラヤーラム語版はラーミヤ・ベハーラ(Ramya Behara)が女性パートを歌っている。

コレオグラファーは、『Pushpa 2 The Rule』(2024)の「Peelings」のV.J.シェカールが担当。

タラクさんといえば、『RRR』の「ナートゥ・ナートゥ」で言うまでもないし、『ジャナタ・ガレージ』(2017)の「Pakka Local」などでもレベルの高さがわかるように、高速ステップの達人。

「Daavudi」の場合は、タラクさんのダンススタイルのルーツでもある古典舞踊クーチプーディの進化系高速ステップとジャーンヴィーが『Roohi』(2021年)の「Nadiyon Paar」で見せたようなエキゾチック感が、見事に融合したものとなっている。

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