
メディア寄稿:『バーフバリ エピック4K』評
2025年11月18日に2027年公開予定のマヘーシュ・バーブ、プリヤンカー・チョープラーと初タッグを組む、ワールドワイドな冒険活劇『VARANASI(ヴァーラーナシー)(原題)』の情報が一部解禁となったことで、世界中から再び注目を集めることとなった、”創造神” S.S.ラージャマウリ。
プリヤンカーは映画業界でロビー活動を積極的に行い、インド映画上映会を主催するなど、アメリカにおけるインド映画流通に貢献してきた俳優であり、『RRR』(2022)がゴールデングローブ賞やアカデミー賞を受賞できた背景には、決して欠かせなかった人物である。プリヤンカーを主演に起用したということは、本格的にアカデミー賞を狙いにきたようにも思える。
それはさて置き、ラージャマウリの代表作といえば、日本でも記録的なヒットとなった『RRR』も記憶に新しいが、やはり日本だけに限らず世界的にラージャマウリブランドを確立することになった「バーフバリ」二部作に他ならない。
「バーフバリ」は映画だけに留まらず、小説「The Rise of Sivagami」、「Chaturanga」やコミックシリーズ「Baahubali: Battle of the Bold」、そして全71話が制作されたアニメ『バーフバリ 失われた伝説』(日本では一部のみソフト化)に加えて2024年の最新アニメシリーズ『Baahubali: Crown of Blood』(Disney+Hotstar)と、今も尚、ユニバースを拡張し続けており、さらにはビッグ・プロジェクトとして、2027年公開予定のアニメ映画『Baahubali: The Eternal War Part 1』が制作中だ。
同作には、イルミネーションのアニメ映画『グリンチ』(2018)の監督として知られるスコット・モシャーが共同脚本として参加し、ほかにも『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)や「アーケイン」のデザイナー、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』(2018)のVFXスタッフなど、世界で活躍する映画人たちが多数参加していることからも、すでに世界中が注目している。つまり『VARANASI(ヴァーラーナシー)(原題)』と『Baahubali: The Eternal War Part 1』が2027年に同年公開となるのだ!!
そんな「バーフバリ」も早いもので、2025年で公開10周年を迎える。それを記念して、『バーフバリ 伝説誕生』(2015)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017)の合計5時間26分に及ぶ大長編をラージャマウリ自ら再編集し、新たなシーンを追加した『バーフバリ エピック4K』が日本でも12月12日より2週間限定上映されることに。(ロングランや応援上映などで、結果的にもっと長い期間公開されていると思うが……)
ちなみに本作が10月31日に公開されたアメリカでは、公開前日の30日に行われたプレミア上映のチケットが10万ドル以上を売り上げた。これはリバイバル上映、再編集作品としては異例の購買数となっており、過去にリバイバル上映された作品でいうと、『Indra』(2002)の記録6万5375ドルを大きく上回ったのだ。
それも影響して、全米の公開初週興収には、ギリギリで10位に入るか入らないかの位置にランクインしていた。外国映画のリバイバル上映&限定公開としては、かなり健闘した方だろう。
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