アーティスト紹介:アリジット・シン

2023年のSpotifyアーティストフォロワー数が、エド・シーラン、テイラー・スウィフトに次いで世界第3位!

イギリスのオーディション番組「フェイムアカデミー」のインド版「フェイムグルクラ」に出場したことをきっかけに知られるようになったアリジット。「フェイムグルクラ」では惜しくも6位に留まったものの、別のオーディション番組「10 Ke 10 Le Gaye Dil」では見事優勝を勝ち取り、本格的な音楽活動をスタートさせた。

しかし、当初は歌手というよりも音楽プロデューサーや作曲家としての活動が多く、名プロデューサープリータムと共に映画音楽をいくつか手掛け、そのなかでバックコーラスなどとして参加してきた。

そしてイムラン・ハシュミ主演映画『Murder 2』(2011)の作中歌「Phir Mohabbat」でボリウッドのプレイバックシンガーとしてデビューを果たし、同年公開の『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』の「Raadta」で幅広く認知されるようになっていく。

さらに翌年には『ゴールド・プレイヤーズ』や『バルフィ! 人生に唄えば』といったプリータムが音楽を手掛けた作品の楽曲にプレイバックシンガーとして参加するようになったことと、バーブラ・ストライサンド主演の1976版『スター誕生』を下敷きとしたヒンディー語映画『愛するがゆえに』の作中曲「Tum Hi Ho」でフィルムフェア賞やZEEシネアワードなど多くの映画賞に置いて最優秀男性プレイバックシンガー賞を受賞したことでより一般的に知られるようになる。

何よりアリジットの甘い歌声はラブシーンによく合うと話題となり、次々とラブソングのオファーが絶えなかったことから、ラブソングといえばアリジットという印象が付き始め、「ラブソングの帝王」として、2010年代前半から現在にかけてインド映画音楽業界に多大な影響を与え続けている。

とくに「ラブソングの帝王」として印象づけたのは、「キング・オブ・ボリウッド」ことシャー・ルク・カーン主演作では欠かすことができないアーティストであったことも要因として大きい。

『JAWAN』(2023)の「Chaleya」や『勇者は再び巡り会う』(2016)の「Janam Janam」は、作品を支えている曲と言っても過言ではないほど、アリジットの曲はシャー・ルク主演映画のなかでも大きな存在感を放つ。

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