• HOME
  • I-POPSTAR
  • 「I-POPSTARタミル」出場者特集:01:ロックゼイン(Rockzane)

「I-POPSTARタミル」出場者特集:01:ロックゼイン(Rockzane)

2025年からスタートした、若手インディー・アーティスト発掘企画「I-Popstar」の姉妹番組としてタミル版「I-Popstar Tamil」が早くも登場。

本企画は、そのシーズン1に参加する新進気鋭のアーティストたちを紹介していくものである。

第1回目はロックゼイン(Rockzane)

ロックゼインは、2020年代のタミル・インディーシーンを代表する新世代アーティストの一人である。

映画音楽を中心に発展してきたタミル・ポピュラー音楽において、彼女はストリーミング時代ならではのインディー・アーティストとしてキャリアを築き、その後映画音楽へと活動の幅を広げた。こうした歩みは、近年の南インド音楽シーンを象徴するキャリアパスと言えるだろう。

キャリア初期には「Kanathil」「Indha Nodi」「Yeno」「Tharunangal」などのオリジナル楽曲を発表。R&Bやオルタナティブ・ポップ、エレクトロを基調としたサウンドに、タミル語と英語を自然に織り交ぜたボーカルスタイルを取り入れ、従来の映画音楽とは一線を画す都市的なポップセンスを提示した。SNSや音楽配信サービスを中心にリスナーを獲得したことも、デジタルネイティブ世代らしい特徴である。

その後は映画音楽にも進出し、G.V.プラカーシュ・クマールらと共演した「Yelavalele」をはじめ、『DD Returns』『Kingston』『Devil’s Double Next Level』『Bha Bha Ba』などの作品に参加。インディーで培った感性を映画音楽へ持ち込み、商業作品とオルタナティブな表現を自在に行き来する存在として注目を集めている。

ロックゼインの音楽には、欧米のコンテンポラリーR&Bやエレクトロ・ポップの影響が色濃く反映されている一方で、タミル語ならではの語感やメロディラインを大切にしている点も特徴だ。映画のために制作された楽曲であっても、個人名義作品と同様の洗練されたサウンドデザインが貫かれており、映画とインディーの境界が曖昧になりつつある現代のタミル音楽シーンを象徴するアーティストといえる。

2026年にはSaregama Indiaによる若手インディー・アーティスト発掘企画『I-Popstar Tamil』シーズン1に参加し、現時点で「Bachelorette Party」と「」を披露し、すでにオーディエンスを魅了している。

このプロジェクトは、従来の映画産業中心の音楽市場とは異なる新たなタミル・ポップカルチャーを提示する試みであり、Rockzaneはその中心メンバーの一人として起用された。映画会社やレコード会社が、配信時代のインディー・アーティストを積極的にプロデュースする流れを象徴する事例でもある。

現在のタミル・ポップスは、映画音楽だけでは語ることができない時代へと突入している。YouTubeやSpotifyを起点に人気を集めたアーティストが映画界へ進出し、さらに映画で得た知名度を再びインディー作品へ還元するという循環が生まれている。Rockzaneはまさにその流れを体現する存在であり、2020年代のI-POP、そしてタミル・ポップシーンの未来を担う重要なシンガーの一人として注目されている。